飲食業は定期的にブームが起こりますよね。
記憶に新しいのはタピオカ、マリトッツォでしょうか。
白いたい焼きなんてのもありましたね。
こういうのが流行って一気に店ができ。
ブームが去ると同時に店はどんどん閉店していく。
そういう光景にもの悲しさを覚えることも多いのはないでしょうか。

ですがこれ、何も悲しさを覚える必要は無いんです。
すべて計画通りだからです。
飲食業をやっている企業というのは
こういうブームが一過性のものであるということは
身に染みて理解しています。
いつまでも続くものではないと知っているんですね。
なのでまず、ブームの兆しが見えたら
1店舗出してみます。
その店舗が行列が出来て大人気となったら
「これはいける!」
と判断して
一気に複数の店舗を展開するのです。
この時点がブームのピークの直前と言えるでしょう。
ここからはもうウハウハです。
数か月から半年の間ですが儲かってしょうがない
という状態に入ります。

そしてブームが徐々に下火になり、完全に終了してしまいます。
こうなったら、もう一度ブームになることはあり得ないので
店舗は赤字を垂れ流すだけになります。
なので傷が広がる前に閉店するのです。
閉店は店舗との契約にもよりますが
早かったらブームが終わったその月に
遅くとも数か月から半年の間に閉店することになります。
これで1つのブームに乗っかってすごい利益を出すことが出来たわけです。
飲食業をやっている企業というのは、フットワークが軽い上に資金の調達力もありますから
こういう方法でガバっと稼ぐことも可能なんですね。
ですが気の毒なのが個人でこれをやろうとした人です。
世間ではすごいブームが来ている!
人生の一発逆転をかけて自分も初めてみよう!
と考えるわけです。
そして実際に店を持った時点ではすでにブームのピークは過ぎている
まだ終わったわけではないから、多少の売り上げは見込めます。
ですがブームの終わりはすぐそこに迫っています。
ブームが終わるとまったく売れなくなりますから
赤字だけが積み重なっていきます。

こうなると閉店するか業態変更するか
というように何かしらのアクションが必要になってきます。
ですが個人というのは借金して一世一代の大勝負で始めたので
決断に時間がかかってしまうんですね。
そうしている間にも膨れ上がる赤字・・・
というように悪循環に入ってしまいます。
ブームが終わってもずーっと店が残っているのは
このパターンが多いんです。
なのでむしろ、ずっとお店が残っているほうが気の毒だったりします。
普通はお店を始めるにあたっては長く続けていけるように
と考えるはずです。
ですがブームにのっかった出店はすでに閉店を織り込んでいるというのが面白いですよね。
飲食店は2年で50%が閉店すると言われています。
そういう意味では、このように閉店までも計画を含めるというのは
ある意味正しいのかもしれません。