ある香りを嗅いだ時に昔の記憶が蘇ってきた という経験はありませんか?
人間には5感があります。
視覚
聴覚
嗅覚
触覚
味覚
の5つのうち「嗅覚」は記憶との結びつきが非常に強いんです。

香りと記憶が結びつきが強い理由は脳の仕組みに関係しています。
人間の5感の中で嗅覚だけが大脳辺縁系に直接信号を送ることが出来ます。
その大脳辺縁系には
喜怒哀楽をつかさどる「偏桃体」
記憶をつかさどる「海馬」
という部位があります。
嗅覚からの情報は直接この部位に作用するんです。
そのため匂いを嗅いだ瞬間に海馬から記憶を引き出し、偏桃体がその時に感じていた感情を呼び覚ますんですね。
このような仕組みのことを
「プルースト効果」
と呼ばれています。
フランスの作家である、マルセル・プルーストの著書『失われた時を求めて』内の
「マドレーヌが焼けた匂いとともに昔の記憶が甦る」という一節から取られています。
この効果ですが、何も幼少期の記憶だけでなく大人になってからの記憶にも適用されます。
これは僕の経験なんですが
新卒の頃、昼食にサブウェイのサンドイッチをたまに食べていました。
その時には決まって同じものを注文したんです。
それが「ターキーブレストのバジルソース」です。

これがすごく好きというのは今でもしっかりと記憶しているんですが
それを食べていた状況や、その周辺の記憶となるとさすがに覚えているものではありません。
ですが先日に久しぶりに食べてみたんですね。
そうすると口に入れた瞬間に香りと共に記憶がフラッシュバックしてきました。
店の雰囲気はどうだったか
当時やっていた業務内容
一緒に食べていた人
こんな感じの内容が、ついこの間の事のように蘇ってきたんだから驚きです。
なぜこんなに鮮明に覚えているのか自分でも戸惑いを覚えるほどでしたね。

脳というのは、本人が自覚していないだけで恐ろしいほどの情報を記録してくれています。
これを眠らせておくだけにするのはもったいないです。
先ほどの僕のサブウェイの記憶のように「サブウェイのターキーブレスト バジルソース」という
キーワードだけ自分の中で忘れないようにしておけば、それの香りを嗅ぐだけで記憶を引き出すことが出来ます。
そのように匂いと記憶を意識的に結びつけることで記憶を呼び覚ましやすくすると
脳に保持している情報を今よりも活用できますね。